「天王丸」進水式(内海造船 因島工場)
令和元年6月3日(月)10時40分より内海造船(株)因島工場においてオーシャントランス株式会社、発注によるロールオン/ロールオフ型一般貨物船「天王丸」の進水式が行われました。
入場時に、お祝いの粉末レモンと仕様が書かれたニュースレターを頂きました。
タイムスケジュール通り主賓・来賓が入場しいよいよ進水式の始まりです。
まずは日本国旗掲揚から始まります。
次はオーナーによる船名の命名による除幕です。
そして号鐘により船首のセレモニー用に残された盤木の撤去です。
シャンパンが割れると同時にトリガーが解除され本船は滑るように海へと向かい、くす玉も割れ紙吹雪が舞い散ります!。最高のシーンです!!。
新しい船が生まれました!。3隻のタグボートに曳航され艤装岸壁へと。
入場時に貰ったニュースレターを記載します。
< 特 徴 > *太字は私の補足説明です。
1.本船の積載貨物は、シャーシー、乗用車等です。
2.車両艙は合計5層から構成されています。内2層は乗用車艙です。残りの3層には、シャーシー、トラクター等の積載が可能です。
3.自動車の搭載は、船尾左舷と船首左舷のショアーランプ扉から船内に入り、艙内ホールドランプ(各デッキを繋ぐ坂道)を経由して、各所定のデッキまで自走して行きます。
4.水槽試験による検討を重ねて創り出された、速力性能に優れた船型を有しています。また、バブル付き舵等により、燃費性能に優れた船型と成っています。
5.航海中の横揺れを防ぐためのフィンスタビライザを備えているほか、バウスラスタおよびスタンスラスタを装備し、離接岸の性能向上を図っています。
*収納された状態のフィンスタビライザの状況 ⇩
荒天時にはフィンが出て横揺れに対して抵抗と成り横揺れが軽減されます。
船首部のバウスラスターです。人と比べるとその大きさが分かると思います。
これと同じものが船尾にも装備されているので横方向への移動も可能に成ります。
< 主 要 目 >
全 長 約190.00m
長 さ(垂線間) 179.00m
幅 (型) 27.00m
深 さ(型)(UPP.DECK) 22.70m
構 造 喫 水 (型) 6.85m
総 ト ン 数 約13,650t
車 両 搭 載 台 数 13mシャーシ (13,000L X 2,500 B ) 約192台
乗用車 (4,700L x 1,700B) 約200台
主 機 関 MAN B&W 9S50ME-C8.5型ディーゼル機関 1基
連続最大出力(機関出力 UP-RATING 採用)
15,930kw x 135.0min -1
速 力 航海速力 約21.5ノット(約39.8km/h)
船 級 NK(日本海事協会)
船 籍 日本
起 工 年 月 日 2018年12月19日
進 水 年 月 日 2019年 6月 3日
完 工 年 月 日 2019年 9月下旬
今回も作業員の方のキビキビした行動と190mもの大きなRORO船の進水式を見る事が出来、感動です!。オーシャントランス株式会社様、内海造船株式会社さん有難うございました。
進水式後に船台の上には船体を滑らすベアリングの役目をする鉄球が残ってます。背の高い自動車運搬船などでは重心が高いので進水式で横転しないように工夫されています。同じ位置での写真なので見比べると分かります。
上部の台ごと本船と共に進水して行きました。(殆どの人は上ばっかり見てるんで知らないだろな~?)進水中の写真を見ると分かります。海上に流出した盤木は回収され、それ以外の付属物はドッグ入りした時に、取り除かれます。
*先月、色々と船の写真を撮っても中途半端でブログにアップ出来てないので今回、まとめて載せました。
5月20日、話題の劇場船”STU48号”が因島大橋を通過する所です。
5月24日、JMU因島工場より出航する海上自衛艦 掃海管制艇 ”ゆげしま”の見送りをしました。ゆげしま、は正しく目の前に見える島と同じ名前なので凄く親近感が湧くな~。そしてナント!出港時には汽笛長音を1回鳴らし艦橋からの号令による”帽フレー!”の合図で船上に配置された自衛官の方達が一斉に私たちに向かって帽子を振ってくれましたー!。それだけでなく手旗信号によるメッセージも送ってくれましたが逆光で、”送信します”の合図は分かったものの本文が見えなかったのが凄く残念でした。発光信号による合図はYouTubeでも見る事有りますが手旗信号は凄く珍しかったんだけどな~。”ゆげしま”の乗組員の皆さん有難うございました!。
船体は満艦飾(国際信号旗)で飾り立てられています。
操舵室内のエンジンの遠隔操縦装置と左端には国際VHF船舶無線機があります。
帆船では狭い水道とか海峡、出入港時には自由な操船が出来ないので帆による航行は出来ず帆船でも必ずエンジンは有ります。
*もともとは操舵室の事はホイールハウスとも言います。私が造船所で設計に携わっていた40年ほど前はホイールハウス・操舵室・ナビゲーションブリッジとかオーナーや船種により使い分けてました。ホイールハウスは映画で見るように大昔の帆船の舵取りは大きな舵輪だったので、そのホイールからきた名称のようです。船の場合は車に比べ随分昔からオートパイロットによる自動航行が当たり前に成ってます。
5月29日 海上自衛艦 掃海艇 ”あいしま” がJMU因島工場に入港しました。
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