大型船の入港・出港の風景
”日新丸”は長年、南極海での調査捕鯨の母船として活躍していましたが日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退したことから7月からは日本沿岸の排他的経済水域(EZZ)内200海里(約370km)での操業に向け整備を終え6月29日、因島を出港しました。
私が子供の頃には鯨肉は安価でどこの家庭でも一般的に食べられており、小学校の給食でクジラの竜田揚げがメチャ美味しかったのを今でも覚えています。
船舶も車の車検に相当する検査が有ります。船検は5年に1回行われる定期検査(詳細な検査)と毎年行われる中間検査(簡易な検査)が有ります。比較的大きなドッグが有るJMU因島工場には多くの大型船が入港します。
”さんふらわあ さつま”が6月22日にやってきました。2018年”さつま”と同時期に建造された同型船の”きりしま”は大阪ー志布志(鹿児島)航路に就航しています。この二隻は名誉ある”シップ・オブザ・イヤー2018 大型客船部門賞”を受賞しました。受賞理由は二重反転プロペラ(プロペラが同一の軸に2枚装備され互いが反対方向に回転しています。)とハイブリッド推進システム(”さつま・きりしま”の場合は入出港時にはモーターで推進する仕様)を導入し高い省エネ性能と操船性を両立させたのが主な理由だそうです。
1年ほどの航海で所々、錆が出てますね。特にアンカーの錆が波風で後方と下部の船体に付着してます。
ドッグでの点検・整備も終わり7月7日試運転を燧灘で行い百貫島と因島の間に錨泊しその後、大阪に向け出港して行きました。
掃海艇の後方で出航に向け錨を上げています。錨を巻き上げる時には海水をポンプで汲み上げアンカーチェーンに噴射し付着した泥などを除去します。この時、”さんふらわあ さつま”は試運転航海の信号旗RU1を揚げています。
この後、私が”ご安航を祈る”の信号旗UWを掲げたので、その返礼としての回答旗UW1に変わりました。我々に対しての回答旗に感激です!。
”さんふらわあ さつま”の乗組員の皆さん有難うございました。お元気で!。
7月10日、はるばる沖縄から巡視船”おきなわ”がやって来ました。
正しく日本の領土・領海の最前線で日々監視の目を光らせる激務が伝わって来ます。
点検整備も終わり、真新しく成った”おきなわ”の出港に際し係留している掃海艇の”みやじま”がUWの信号旗を掲揚しました。海の男達の紳士な対応に感動!。
”おきなわ”が出港して行きます。我々も心を込めて見送りしました。
何時もこんな感じで、見送りをしています。旗は上からUW”ご安航を祈る”です。
LED表示板には造船所の人達に対して”お世話に成りました。”の表示、汽笛長音一発そして回答旗のUW1が掲揚されています。
”おきなわ”の仕様は、全長:105.4m、幅:15m、速力:22ノット、航続距離:6,000海里、乗員:69名、主要兵装:40mm単装機銃・20mm単装機銃、搭載ヘリコプター:「ベル212」中型ヘリコプター
これからも我が国の海上の安全・治安の確保をお願い致します。
8月9日には内海造船 瀬戸田工場での点検・整備も終わり巡視船”きい”が和歌山に向け出港したようなので因島大橋へ見送りに行きました。
巡視船PLHー05”ざおう”の「PLH」は「Patrol Vessel Large with Helicopter」つまりヘリコプター搭載型の巡視船です。”ざおう”はその船名から分かるように第2管区海上保安本部が有る宮城県塩釜港を母港としています。建造から既に37年経過しており建造費の抑制から大規模な改修工事が行われました。外観的には操舵室と指令室を含む最上階の船橋が撤去され、新しく一回り大きく、現在の巡視船と同じ大きさの操舵室・指令室に成りました。
約32億円をかけ6か月に及ぶ大幅な改修工事により新しく生まれ変わった”ざおう”は3度の試験航海をへて7月31日、母港である塩釜港に向け出港しました。
7月17日、試験航海からの帰港時の写真です。全てが新しく成り現在の巡視船と見違えるほどに綺麗に成りました。
8月6日巡視船”やひこ”が第九管区伏木海上保安部(富山県高岡市伏木港)に向け出港しました。
ドッグ入りした時の状況。遠めでもアンカー周り、甲板に錆が見えます。
また船首には35mmと20mm機関砲が装備されています。
8月1日、神戸から母港、広島港に向け布刈瀬戸を航行する”STU48号”ですが船体にUW2の表示が有りますがこれは造船所では入港する船に信号旗で掲揚表示しています。STU48号では船体に信号旗を書く代わりに文字で表示しています。UW2は”歓迎”と言う意味です。つまりSTU48号劇場船に乗船してくれるファンの方々へのメッセージと成っているんでしょうね~?。
8月16日、”たんさ”が試運転から帰って来ました。入港した当時の船名は”資源”でしたが一般公募で変更されました。この船はその船名からも分かる通り海底探査を行い海底資源を調査する三次元物理探査船です。ノルウェーの会社から買い取りJOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が運用します。
全幅が40mも有り、その畏怖堂々とした姿が昔の軍艦を偲ばせるような船形です。本船の仕様は、全長:102.2m、最大速力:18ノット(約33.3km/h)
この船は海底探査を行う特殊な機能を有している事からノイズや振動を極力抑えるために発電機による電気推進としています。煙突も船首部に有るので発電機関も船首部に有るのかな?。
8月18日、近海郵船の”とかち”が出渠(しゅっきょ:ドックから出て行く事)し、そのまま出港しました。
”とかち”の仕様は全長:166.7m、全幅:24.00m、航海速力:23.7knt(約44km/h)積載能力:128台/12m換算、乗用車:103台、冷凍用電源:36個、敦賀~博多を就航。
8月18日には日本海運株式会社の”ひまわり 5”が出港しました。日本海運株式会社は日本通運グループの海運会社です。
”ひまわり 5”は東京ー博多・瀬戸内航路に就航しています。仕様は全長:166.90m、全幅:27.00m、航海速力:23.0ノット(約43km/h)、主たる積荷:乗用車251台、シャーシ160台。
このブログを見ると因島には、いろいろな船が来るのだと実感出来ます。
今度は、どんな船が来るか楽しみですねぇ~
投稿: まるたま | 2019年9月 2日 (月) 23時32分
まるたま君、撮り溜めた写真をブログにUPし、その船の情報をネットで調べたり昔、造船所で働いていた時の記憶を頼りに補足事項を書きながら新しい発見が有ったりして楽しいです。しまなみ海道沿いには沢山の造船所が有り、進水式や点検・整備で入港する船を見られるのは船好きには最高のロケーションですね。
投稿: あんせいクン | 2019年9月 3日 (火) 07時11分