「 神珠丸 」進水式 (内海造船 瀬戸田)
令和元年7月18日(木)11時25分より内海造船瀬戸田工場において栗林商船株式会社、発注のロールオン/ロールオフ貨物船「神珠丸」総トン数14,300トンの進水式が行われました。今日も平日にも関わらず結構沢山の人で賑わいました。
家を出る前にPCで天気予報雨雲レーダーで降雨状況の予報を見ると進水式の時間帯には完全に雨模様で残念な気分で出発しました。途中、通り雨にも会いテンションは下がり気味。
開場5分前に内海造船に着いて見上げると晴れの日を迎えた新造船が紅白の幕と満艦飾(信号旗・万国旗)で飾り立てられていました。そして見学者の列の後ろの方にテレビ局の撮影スタッフの方達が居ました。何処のテレビ局?と思いながら見ていると内海造船の方へのインタビューが始まりました。あっ!TSSの”満点ママ!!”のモリクミさんやー!(森本久美子さんの事です)水曜の番組内の”あの町へ駅んさい”で広島県内のぶらり旅を担当しているリポータさんです。昨日は番組で東尾道を放送してて次回は”瀬戸田の沢へ行ってきます!”と言っていたんで進水式のタイミングで来たんかな~!?。
進水式30分前に成ったので、何時も通りネタ元のニュースレターと生産量日本一&国産レモン発祥の地、瀬戸田名産のレモンを使った粉末ジュースGET!
進水式が始まる頃には微妙に傘が要るか要らないかの小雨も止んで気持ち良く写真撮影出来るように成りました。テレビ撮影の人達は船台の下で我々と同じ目線での撮影をしていました。普通はテレビ撮影が来たら船台の上のベストポジションで支綱の切断、ワインが割れて、くす玉が割れ、進水する様子を撮影すると思ったけど。。。この旅レポートを見てて感じるのはモリクミさんが何時も一歩引いた感じでのホンワカしたインタビューや、お店の紹介をしているのが非常に好感を持てて見れるのが良いんです。今回の撮影も見学者目線での控えめな撮影かな?。進水式前の一通りの撮影が終わり私の撮影ポイント近くに来て進水式の始まるのを待ってるようで、思い切ってモリクミさんに写真1枚良いですか!?と聞いたら快くOKしてくれたので2枚撮らせていただきました。おっさんも時にはミーハーに成る時が有るんです!!。我ながらメチャクチャ良い写真が撮れました!!!。許可を頂いていないので残念ながらブログにUP出来ませんが・・・。
今日の本船は一段と大きくファインダーに収まりきらないので良い写真が撮れませんでした。見学場所が船台の直ぐ下で近すぎるのも・・・。
そうこうしていると進水式が始まり支綱が切断されると共に、くす玉が割れ五色のテープと紙吹雪が舞い汽笛を鳴らしながら滑るように進水して行きました。
ニュースレターによるスペック(仕様)を記載し、補足を自分なりに記載します。(多少ニュアンス的に間違いがあるかも?。)また先週のフェリーの進水式の時に撮った写真を添付します。何時も大型船の進水式の時には船尾方向は規制線が張られ写真が撮れないので先週、事前に撮りました。
< 特 徴 >
1.本船の積載貨物は、シャーシー、乗用車、トラック、重車両、ロールペーパー等です。
ロールオン/ロールオフ型一般貨物船とは車単独または貨物を積んだトラックやトレーラーをそのまま運べる船舶です。一般的には略してRORO船と言います。
2.車両艙は合計6層から構成されており、内3層は乗用車艙です。残りの3層には、シャーシー、トラック、重車両等の積載が可能です。
3.乗込甲板(岸壁等から車両を乗り入れた最初の甲板)および1層下の甲板には、ロールペーパー積載用の区画が設けられています。
4.自動車の搭載は、乗込甲板の船尾左舷および船首左舷に設けられたショアランプ扉から船内に入り艙内ホールドランプ(各層をつなぐ坂道)を経由して、所定のホールドまで自走して行きます。船尾のショアランプ⇩
5.水槽試験による検討を重ねて創り出された、速力性能に優れた船型を有しています。また、船尾省エネバブルによりプロペラ旋回流のエネルギーロスを回収し、水力に変換することで燃料消費量を低減しています。
スクリューの先端の舵の部分が球状に成っており整流用のフィンが付いているのが分かると思います。
6.減揺装置としてフィンスタビライザ及びART(アンチローリングタンク)を装備しており、航行状態に応じて適切な減揺装置を選択して使用することで、船体の横揺れを効果的に減少させます。⇩ 収納時のフィンスタビライザ
ART:アンチローリングタンクとは船体の両舷にタンクを備えパイプなどで繋ぎ、これに水を入れると船の横揺れと共に水の移動が起き、これが船の揺れと反対方向にモーメントが働き揺れを抑える事が出来ます。
7.バウスラスター及びスタンスラスタを備え、舵に新型K-7舵(K7-M2型)を採用することで離接岸時の操船性能の向上を図っています。
船尾に装備された物がスタンスラスタで船首にも、これと同じ物が装備されており船体に対して直角にプロペラが装備されている事で船を直角に動かす事が出来ます。
(K7-M2型)舵とは5.の説明写真で見ると分かるように舵の後端1/4ほどが動かせる構造に成っている事が分かると思います(主舵と副舵:フラップとに分かれている)。飛行機の主翼のフラップと同じ様な働きをさせる事で水流の流れを変化させ本船を横移動に近い形で動かせるように。
8.電子制御型主機関(ME-C型)を採用し、燃費低減および低負荷での燃焼状態改善を図っています。
< 主 要 目 >
全 長 約174.95m
長 さ(垂線間) 162.00m
幅 (型) 29.00m
深 さ(型)(乗込甲板) 12.20m
構 造 喫 水 (型) 7.20m
総 ト ン 数 約14,300トン
貨 物 積 載 数
13mシャーシー(1,300mm L x 2,500mm B) 120台
乗 用 車 (5,000mm L x 1,700mm B) 250台
ロールペーパー (1,626mm H x φ1,100mm) 2,000巻
主 機 関 MAN B&W 9S50ME-C8.5型 (UP-RATING) 1基
連続最大出力 15,930kw x 135.0 min-1
常用出力(85%) 13,540kw x 127.9 min-1
速 力 航海速力 約21.5ノット(約39.8km/h)
船 級 NK(日本海事協会)
船 籍 東京
起 工 年 月 日 平成31年 2月 1日
進 水 年 月 日 令和 元年 7月18日
完 工 年 月 日 令和 元年11月 下旬
今回は小学生や幼稚園児の見学者は元より一般の方の見学者も多く、くす玉が割れてから着水するまで大きな歓声に包まれ”神珠丸”も輝いて見えました。
栗林商船株式会社さん内海造船株式会社さん有難うございました。
*今日、進水した船名は神珠丸:シンジュ丸なのに宝石で使われている真珠の漢字じゃないのは何で?と思い栗林商船さんのH.Pを見たら納得しました。
内航定期運航船として今回進水した船と同型船が7隻運航されており、それらの全ての船名の初めに神の名が付けられています。神明丸、神瑞丸、神加丸、神北丸、神泉丸、神川丸、神王丸と、神シリーズ船で統一されているんですね。
また、昭和44年、日本で初めてRoRo船を建造し、その時の船の名前が二代目と成る”神珠丸”だそうです。この会社は歴史も古く明治27年に運輸会社として起業し、船舶部門を切り離し現在と同じ社名に設立されたのが1919年(大正8年)で100年を迎えたそうです。また船のシンボルであるファンネルマークは栗林家代々受け継げられた「七郎治」名から「七」をとり屋号を「丸七」にしたそうで、それをファンネルマークとしたそうです。進水式の船首にも同じマークの社旗がはためいてます。
⇩今回の進水式では撮れなかったので建造中の写真です。
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