新日本海フェリー「あかしあ」「はまなす」令和3年
令和3年、新日本海フェリーの「あかしあ」、「はまなす」が点検・整備のためJMU因島工場にやって来ました。
1月3日、新年早々に「あかしあ」が遠く舞鶴から回航され三原瀬戸から布刈り瀬戸に向けやって来ました。
1年振りの再会です。冬の日本海の荒波に揉まれ所々錆が浮いています。
造船所の沖合で右舷の錨を下ろしました。翌日、入港です。
1月下旬、様子を見に行くと既に新しい煙突に交換され船体の塗装が行われていました。
左舷の錨を上げるため30分程掛かりました。
この後、何時ものパターンで燧灘で試運転を行い翌日、舞鶴に帰って行きました。
舞鶴~小樽航路には、「あかしあ」と「はまなす」の同型船が運航されています。その仕様は、全長:224.8m、全幅:26m、総トン数:16,810t、車両積載 トラック:158台、乗用車:65台、そして凄いのがその航行速度です。時速約55km/hで航行するため高速フェリーと言われる所以です。こんな大きい船がこんなスピードで走るって凄い事です。これを可能にしたのが”ポッド推進器”と呼ぶ装備で舵にもう1つ電動のプロペラを従来のプロペラと正対して取り付け(電動プロペラ内臓の舵と言った方が分かり易いかも)互いに逆回転させる2重反転プロペラの構造としているそうです。2重反転プロペラの動作原理はプロペラから押し出された渦流を後方のプロペラで回収し推進力を付加して効率化を図る仕組みです。これにより日本最速の長距離フェリーとして有名です。日本海で「あかしあ」と「はまなす」がすれ違う時の相対速度は110km/hも有り実際に体感してみたいな~。
「あかしや」の船尾にポッド推進のマークが表示されています。
「あかしあ」をお見送りした2日後の2月14日、15時過ぎに姉妹船の「はまなす」が因島にやって来ました。(船の代名詞が女性なので同型船と言うより姉妹船と言う方が良いかな。)
UW2旗を掲げ友人達とお出迎えしました。
この時、煙突を吊っているのは深田サルベージの「駿河」です。煙突の交換作業ためにチャータしての工事です。
仲良くドッグ入りしている、こちらのフェリーは大阪南港~鹿児島志布志港を航行する「さんふらわあ さつま」です。
小高い山に登り造船所が見渡せる所からの撮影。
アンカー収納部のベルマウスの交換が行われたように見えます。
人力で煙突の向きを変えています。
5日後にファンネルマークが塗装中です。(お昼休憩中)
「あかしあ」、「はまなす」が煙突を更新したのは国際海事機構(IMO)による排ガス硫黄酸化物SOxと粒子状物質PMの削減の国際規則によるもので一般的にはスクラバー(排ガス洗浄装置)と言われています。簡単に言えば車の排ガス規制と同じ様なものです。現状のエンジンでも低硫黄燃料を使用すれば問題は無いようですが燃料代が半端ない程、高額に成るため費用対効果を勘案するとスクラバーを増設した方がはるかにメリットが有るためです。特に高速運航される長距離フェリーなどは燃料の消費量が半端なく1日の燃料代だけでも高級車が何台か、買えるとか。200mを超える船が時速50Kmで航行するので燃費にしても想像もつかないな~。
スクラバーを設置するには現状のエンジンルームに配置するにしても制限があるため煙突を大きくしてその中に収める形が多いようです。
3月27日、出港です。
日新丸の向こうで接岸していましたが左舷のアンカーを巻き取りながら沖合に出てきました。
燧灘で試運転を行い沖合で錨泊しました。
3月28日、母港、舞鶴に向け出港です!。
昨晩から雨が降り7時過ぎの因島大橋では雨が今にも降りそうな降ってる様な。そんな状況で朝焼けの向こうに「はまなす」がこちらに向かって来ました。
この後、因島大橋を通過する所で汽笛長音1発を頂きました!!。
我々も帽子を大きく振りました。この時、操舵室のウイングからも乗組員の方が手を振ってくれました!。感動の時間が流れていきます。
新日本海フェリー「はまなす」、「あかしあ」のご安航をお祈り致します。
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