海上自衛隊 掃海艇MSC-683「つのしま」さようなら!そして有難う!!
阪神基地隊(神戸)の第42掃海隊に属し「なおしま」と共に大阪湾および紀伊水道における警戒監視と爆発性危険物の処理などの任務を行っている「つのしま」が令和6年3月12日、呉基地に於いて自衛艦旗の返納行事を行い、同時に艇名と艇番号も消去され退役と成りました。日中における呉基地への航路である因島大橋を通過する時にはお見送りに行っていたのに寂しい限りです。ただ第45掃海隊のMSC-689「あおしま」が第42掃海隊に転籍となり3月9日には沢山の人に見送られながら母港の函館を出港しました。木造船の掃海艇は年々、退役しており、そう遠くない日には因島大橋でのお見送りもいずれ無くなるでしょう。
令和5年10月22日、尾道港の一般公開で「つのしま」を初めて見学した日が見納めの日と成りました。
マストにはwelcomeの歓迎旗で迎えてくれました。少し並んで見学へ。
まずは船首甲板の22mm機関砲ですね。
次は艦橋に上がると旗箱が両舷に有りました。思った以上に装備されているんだな~。
船橋の両舷側には探照灯、双眼鏡と磁気コンパスが装備されています。
探照灯は前面にシャッターが付いており向かって左上に有るレバーを上下してモールスによる発光信号を送る事が出来ます。
操舵室内を右舷から見ると青・赤のカバーが掛けられた艇長席が有ります。
色分けは階級によって決められており2等海佐までの艇長の席と成ります。
左舷側は赤一色の席で隊指令などの一等海佐が座る席と成っています。
操舵室上部前面には航海計器が装備。
左から風向風速計、(前後進の速度計、回転計、舵角形)2組。天井に有るT型のハンドルはコンパスデッキに有る探照灯の方角操作ハンドルです。下部センターライン上に有るのは磁気コンパスです。右側にある画面は海上版のナビの様な物に見えました。
中心が「つのしま」の位置で、上側が尾道港の海岸線で下側が向島の海岸線に成ります。向島ドックの浮きドックが長方形としてハッキリと分かりますね。
操舵室を出て後部甲板に行くと、もやい綱が綺麗に整理されてました。海上自衛隊では入出港の時には、もやい綱が海水に浸からない様に気合を入れて皆で引っ張っています。私も電気関係の仕事をしていたんで工事や仮設などでケーブルを這わす時は踏まれない様に養生したり気を使っていました。この写真を見て綱を大切にしているのが分かります。
通信士に成るべく勉強した自分としては自衛艦などで何時も気に成るのはアンテナ群です。地デジANT以外にワイヤーANTとホイップANT等々沢山あります。
因みに操舵室内には”JSQG”の名板が有りました。
見学を終え自宅に帰り今日夕方には出港するのかな~?と思いながらマリトラを時々確認してました。夕方、尾道港を出港しました。取り敢えず因島大橋に来る事を願って出動。状況的には薄暮なので撮影は厳しい感じで待機しました。
向島を大きく迂回しながらこちらに向かって来るのが見えました。
暗くなる前にどうにか来て欲しいと祈りながら自衛艦旗とUW旗を掲げました。
既に太陽は山の向こうに沈み薄暗く成ってしまいました。なので写真もブレブレ。
マストの中間に「つのしま」が回答旗を揚げてくれてます。
掃海艇のスペック(主要要目)海上自衛隊のH.Pから転載します。
基準排水量:510t、
主要寸法:長さ54m、幅:9.4m、深さ:4.2m、喫水:3.0m
主機械:ディーゼル2機2軸、 馬力:1,800ps、 速力:14kt
主要兵装:22ミリ機関砲x1、掃海装置一式
乗員:約45人
艇長をはじめ隊員の皆様ありがとうございました!。
新しい艦でのご活躍をお祈り致します。
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