「ブルールミナス」進水式 (内海造船 瀬戸田)
令和2年1月9日(木)10時25分から内海造船(株)瀬戸田工場に於いて津軽海峡フェリー(株)発注の8,800総トン型旅客船兼自動車航送船「ブルールミナス」(カーフェリー)の進水式が行われました。前日は爆弾低気圧による20m/sを超す強風と雨でしたが夜には強風も収まり翌朝には青空もチラホラ覗かせ無事予定通り進水式を見学することが出来ました。1日ずれていたら、と思うと進水式のジンクスは今回も健在でした。
貰って嬉しい何時もの粉末レモンジュースとブログネタ元のニュースレター。
船首には日章旗を挟んで津軽海峡フェリー(株)と内海造船(株)の社旗が今日の日を祝うように、はためいていました。
ニュースレターによるスペック(仕様)を記載し、補足説明を自分なりに分かり易い様に写真を添付したり多少アレンジして記載します。(多少ニュアンス的に間違いがあるかも?。)
<特徴>
1.本船は1機1軸船型の旅客船兼自動車航送船で、車両甲板への自動車の搭載は主として船首及び船尾に装備されたランプドアおよび艙内ランプにて行います。
2.船型は球状船首および単胴船尾を採用し、推進性能と耐航性の向上を図っています。
3.航海中の横揺れを軽減するため、船体中央部にフィンスタビライザを備えてます。
4.船首にバウスラスター、船尾にスタンスラスタ2台および、低速時の最大舵角45°が可能なマリナー舵を1台装備すると共に、可変ピッチプロペラを装備して操船性を向上させています。
船尾のスタンスラスタ2台とマリーナ舵(外観的には違いが分からないですね)可変ピッチプロペラは油圧でペラの角度を変えられるようにするため羽が1枚ずつ組み立てられています。
可変ピッチプロペラの特徴として翼角を変える事でアナログ的な細かい船速の制御や前進・後進(翼角を前進と逆にする)・停止(翼角を立てると水をかく力が無くなる)が行える事からバウ・スターンスラスタとの併用により出入港や離接岸をタグボートなどを必要とせず自船のみで効率的かつ容易に行えます。
また緊急時には前進から後進への切り替えが即座に対応出来ます。(通常の固定プロペラの場合はギヤを介してプロペラの回転を反転させる必要が有るため、エンジンの回転数を下げプロペラを停止させ反転ギヤを入れエンジン回転を上げる一連の操作が必要と成ります。)
エンジンの出力(航走条件が積荷や潮流・風の向きなどにより常時変動=エンジン出力変動が有ると効率が低下する)と燃料消費量の効率的な特性曲線に合わせてプロペラの翼角を変えて常に経済的な運行が行えます。(燃料の消費量が低減され環境にも優しい)
5.昇降設備としてエスカレーターを装備し、高齢者・身障者のバリアフリー設備として車両甲板から客室エントランスに直接移動可能なエレベータを本船右舷側に装備しています。
6.車両甲板を3層備え、豊富な車両積み付け台数を実現しています。
場内では進水式に向け作業員の方達が慌ただしく盤木の撤去をしていました。
華やいだ雰囲気の中、内海造船(株)社長のエスコートによりオーナーが入場し進水式の始まりです。
厳粛な中で国旗が掲揚されました。
私の撮影位置が船台の下なので式場が見えませんがアナウンスにより主賓の入場、花束の贈呈、船名の命名と拍手しました。
命名により除幕され船名が現れました。ブルーシリーズですね!。2016年にはこの工場でブルードルフィン・ブルーハピネスが進水してます。
続いて船首に残された盤木の撤去、トリガーの安全装置の解除と進みオーナーにより支綱が切断されシャンパンが割れると共に、くす玉も割れ五色の花吹が舞う中、ブルールミナスが船台を滑るように進水して行きます。
<主要目>
・全長:約144.13m (ブルードルフィン:約144.12m)
・幅:23.00m ・深さ:14.10m
・計画満載喫水:5.90m ・構造喫水:6.00m
・総トン数:約8,800トン
・載貨重量(構造喫水にて):約3,440t
・車両搭載能力:12mトラック=70台、8mトラック=1台、 乗用車=30台
・旅客定員:6時間未満=583名 ・乗組員:33名、
・主機関:日立ーMAN B&W 6S50MC-C8.2型ディーゼル機関 1基1軸
連続最大出力=9,945kw x 127.0min-1 x 1
・航海速力:約20.0ノット(時速:約37km/h)
・資格:JG第二種船(沿海区域)
・船籍港:青森県青森市
(ブルードルフィン:青森市、ブルーハピネス:北海道)
・起工年月日 令和元年5月10日 ・完工年月日 令和2年6月1日
津軽海峡フェリー(株)、内海造船(株)さん有難うございました!。
コメント