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2017年9月

2017年9月 8日 (金)

「あけぼの丸」進水式(内海造船 瀬戸田)

Dscf4389 平成29年9月7日(木)12時00分より内海造船 瀬戸田工場にて独立行政法人 鉄道建設運輸施設整備支援機構/宇和島運輸(株)発注の2,700トン型、旅客船兼自動車航送船(カーフェリー)「あけぼの丸」の進水式が行われました。当日の進水式が行われる時間帯の雨雲の動きをアニメーションで見ると秋雨前線の影響により進水式の時間帯は100%雨の予報でした。残念な思いを振り切り進水式が始まる1時間前に生口島に向けて出発!!。今日は平日で雨模様なので見学者も少ないだろうと思いつつ進水式30分前の開場時間が過ぎて駐車場に到着。舗装された駐車場は既に満杯で足元が水浸しの更地に仕方なく駐車。バスも15台ほど駐車しているし、こんなの初めて!今日はメチャ見学者が多いみたい。

Dscf44121 足元は最悪でスニーカーは泥と水溜まりで濡れてグチャグチャ。諦めもついて足元を気にする事無く入場門へ。どうにか何時も通りネタ元のニュースレターと瀬戸田名産のレモンを使った粉末ジュースGET!

Dscf43661 式場は既に多くの人で混雑しており写真撮影するのも大変です。

進水式が始まるまでに船尾まで行って色々撮影しようとするも兎に角、満員状態で自分の思い通りの撮影が出来ませんでした。

Dscf43981 くす玉とシャンパン(球状船首の先端に水平に成っている)が進水の時を待っています。

Dscf43691 船首の直ぐ後ろにはバウスラスターが2基装備されています。

Dscf4368 船体中央寄りに固定のスタビライザー

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そして、船体中央にはフィンスタビライザーが装備されています。

Dscf43731 荒天時には横揺れ防止のためにフィンが船首方向に出ます。

船尾にはプロペラ・舵が2基装備されています。

Dscf43771 船尾には車両乗降用のランプドアが有ります。

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内海造船 社長のエスコートにより宇和島運輸(株)社長夫妻が入場し進水式が始まりました。

国旗掲揚です。

Dscf43841 続いて宇和島運輸(株)社長の命名による除幕式です。

Dscf43851そして号令から始まる進水作業が始まり、そしていよいよ社長夫人により支綱が切断されました。

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ニュースレターによるスペック(仕様)を記載し、補足説明を自分なりに分かり易い様に多少アレンジして記載します。(多少ニュアンス的に間違いがあるかも?。)

<特徴>

1.本船は2機2軸2舵の旅客船兼自動車航送船(一般的にカーフェリーと言われています)で、車両甲板への自動車の搭載は船首および船尾に装備されたランプドアおよび艙内ランプにて行います。

2機2軸2舵とは主機:メインエンジン(造船所ではエンジンの事を主機と言います。エンジンルームに有るそれ以外の発電機などの機器は補機と言われています。)が2機とプロペラが2台有る事を2軸と言い、舵が2台有るので2舵と言います。

2.船型は球状船首および双胴型普通船尾を採用し、推進性能と耐航性の向上を図っています。

3.航海中の横揺れを軽減するため、船体中央部にフィンスタビライザを備えてます。

横揺れが激しい荒天時にフィンが出てコンピューター制御により横揺れが軽減されます。

4.船首にバウスラスター2台および、低速時の最大舵角70°(通常の約2倍の舵角)が可能なシリング舵を2枚装備すると共に、可変ピッチプロペラを装備して出入港時の操船性を向上させています。

シーリング舵の特徴としてスターンスラスタを必要とせず、その場での旋回が可能でバウスラスターとの併用で船体の横移動が可能となり岸壁などへの接岸が自船のみで行えます。

可変ピッチプロペラとは油圧でプロペラの翼角(ぺら角度)を可変させる機能が付いたスクリューの事です。そのため従来の固定翼と違って沢山のボルトナットで組み立てられています。
そのメリットは翼角を変える事でアナログ的な細かい船速の制御(0km/h~から任意の速度に
)や前進・後進(翼角を前進と逆にする)・停止(翼角を立てると水をかく力が無くなる)が行える事からバウ・スターンスラスタとの併用により出入港や離接岸をタグボートなどを必要とせず自船のみで効率的かつ容易に行えます。
また緊急時には前進から後進への切り替えが即座に対応出来ます。(通常の固定プロペラの場合はギヤを介してプロペラの回転を反転させる必要が有るため、エンジンの回転数を下げプロペラを停止させ反転ギヤを入れエンジン回転を上げる一連の操作が必要と成るためタイムラグが生じる。)
エンジンの出力(航走条件が積荷や潮流・風の向きなどにより常時変動=エンジン出力変動が有ると効率が低下する)と燃料消費量の効率的な特性曲線に合わせてプロペラの翼角を変えて常に経済的な運行が行えます。(燃料の消費量が低減され環境にも優しい)

5.昇降設備としてエレベーターを本船右舷側に装備し、高齢者・身障者のバリアフリー設備として、車両甲板から第一遊歩甲板(車両が積載される直ぐ上の客室などが有るデッキ)に移動出来ます。 

6.省エネ装置としてエコキャップ、省エネフィン付シリング舵および船尾フィンを装備し、推進性能の向上を図っています。

通常プロペラの後端にはプロペラを軸に止めキャップを着けるが、この部分で発生する渦流がロスと成るため、通常のキャップに替えこの部分にプロペラ状に加工したエコキャップを装着したもの。

Dscf43831 この写真ではプロペラの後ろに有る白い物がエコキャップ。またプロペラの中心延長線上に有る舵に付属されているのがフィン付きの舵です。フィン付きにする事により舵に当たる渦流が整流され推力が上がるそうです。

船尾フィンは船体に沿って流れる水流を整流し後方へ導き推力の向上に役立ちます。

*船尾フィンは当日撮った写真からは確認出来ませんでした。進水作業のため船尾は海水に浸かっているので水中に有るため?大勢の人の為、写真撮影出来てないだけ?。

< 主 要 目 >

 全      長              約121.40m

    幅    (型)             16.00m

 深      さ(型)             10.60m

 計 画 満 載 喫 水(型)               4.45m

 構 造 喫 水 (型)              4.60m

 総 ト ン 数               約2,700トン

 載 荷 重 量 (構造喫水にて)      約1,230t

 車 両 搭 載 能 力 8t積トラック             38台             乗  用  車                     28台

 旅 客 定 員  6時間未満             546名

 乗  組  員                     12名

 そ  の  他                      2名

 主  機  関 ダイハツ 6DKM-36e型ディーゼル機関 2機 2軸

         連続最大出力 3,310kw x 600/215 min x2

 航 海 速 力       約20.2ノット(約37.4km/h)

 資     格           JG第二種船(限定沿海区域)

 船  籍  港               愛媛県 八幡浜市

           起 工 年 月 日 平成29年 4月27日

           進 水 年 月 日 平成29年 9月 7日 

           完 工 年 月 日 平成29年12月13日

Dscf44011

Dscf44061 進水式が始まる頃には雨も小降りに成り、どうにか写真撮影も雨を余り気にせず出来ました。

船のシンボルマークは煙突です。今日進水した「あけぼの丸」は宇和島運輸(株)の”宇”がデザインされていますね。

進水した船台の向こうには既に同じような船が造られています。

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船は進水しましたが作業員の方達はオーナーが退場するまで整列していました。

今日も楽しい一時を過ごす事が出来ました。独立行政法人 鉄道建設運輸施設整備支援機構/宇和島運輸(株)、内海造船(株)さんありがとうございました!。