海上保安庁 巡視船「せっつ」延命工事を終え因島出港 令和2年9月
第5管区神戸海上保安部所属のPLH07「せっつ」が約7か月間におよぶ大規模な延命工事を終え9月末にJMU因島工場を出港しました。
延命工事とは、その名の通り通常ではもう退役してもいい年数を経過している船をオーバーホールや最新の機器の増設や置換(更新)を行い延命を図るものです。PLH01「そうや」から始まってPLH07「せっつ」まで7隻のヘリコプター搭載巡視船が35年を経過したタイミングで延命工事を行っています。1年前にはPLH05「ざおう」が同じJMU因島工場で約32億円を掛け(新聞記事)延命工事を行っていますが、今回もほぼ同様な内容での工事を行っていると思います。この様に35年も経過した巡視船を延命工事により使い続けるのはヘリコプター搭載船の建造費が延命工事の10倍以上掛かり、予算の問題で新造船を作るより現状維持の船舶数を確保する為だそうです。
朝早くから堤防で待ち構えているとタグに曳かれてやって来ました。
帽子を大きく振って別れを惜しむと操舵室から保安官の方が出て同じく帽子を振ってくれました。*少し撮影のタイミングがずれました。
速度を上げ本船航路へと向かいました。”ご安航をお祈りします”。
冬まだ寒い2月中旬「せっつ」が夕方やって来ました。沖合で錨泊し翌日の入港です。
UW2(歓迎)旗を掲げ、手を振ると沢山の保安官の方達が手を振ってこたえくれました。
接岸する時は右端に見えるウインチでワイヤーロープを巻き取ります。この時タグボートは反対方向にテンションを掛け(沖合に引っ張り)ユックリと接岸させます。
入港して2日後には入渠(にゅうきょ:ドッグ入り)しました。
コンパスデッキ(操舵室の天井の甲板)上の(サーチライト)探照灯やカメラ、衛星ANT、LED表示板、レーダーマストに設置されていた機器全てが撤去されています。
外板も腐食でデコボコに成っているのをパテのような硬化物で面一にしてるんかな?こんな姿を見ると解体しているんじゃ?と思ってしまいます。
掃海艇「のとじま」が事故で修理不能(退役が近く、修理に数億円掛かる費用対効果の点からも)という事で、今では呉から舞鶴に転籍に成った「あいしま」が点検整備のため入渠するため沖合を曳航されています。
上記写真を撮った翌日、出渠しました。
4月初旬、接岸位置の移動です。
ところが!ここから先が凄いんです!!。
操舵室も一回り大きく成ってその後方に無かった船橋が追加されました。
4月下旬ドッグ入りです。
9月初旬、燧灘で日帰り試運転を行い帰って来た所。
1週間後に再び試運転に出港しました。
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